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2007年06月05日

西伊豆・松崎でキャンプ〜海の幸に舌鼓〜

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キャンプ場からの眺望

年が明けてから此の方、忙しくてめっきり富士に居ない相方を尻目に好き勝手やっていたわけですが、どうにも人間健全な精神を維持するには遊びが不可欠なようで、そんな具合でGWも仕事で明けると、すっかり2人とも廃人です。この場合の「遊び」とは、野山で体を酷使することを指します。

で、62kmウォーキング会の前週に由比までちょっくら歩き、迎えた本番、無事完歩出来たわけですが、それですっかり元気になったかというと、体は貪欲にもっと遊ばせろというわけです。

話しは変わりますが、先日いつもの美容院に行ったところ「これ使ってください」と膝の上に乗せてくれた抱き枕がとても心地よく、いたく気に入りました。欲しければ業者から取り寄せてくれるといいます。7,000円。よし、誕生日プレゼントはこれにしてもらおうと思い、相方から了承は得ていたのですが。

清里から帰ってきたら、そんなことどうでも良くなりました。というわけで、「すいませんが、誕生日プレゼントとして、キャンプに一緒に行ってもらえませんか?」という成り行きです。「連れて行って」という訳ではありません。だって運転するのは私だし。キミは私のためにタープを張り、ランタンにマントルを取り付け、BBQの灰を片付けてくれればそれで良いのだ。漁協直売所でアワビだとかサザエを買って、それを炭火で焼いて食わせてくれれば、それだけで良いのだよ。抱き枕よか、よっぽど高くつくだろうけど。

そんなわけで、以前、西伊豆をサイクリングした時に気になっていた松崎町へ、バースデーキャンプと洒落込むことにしました。62km歩いておいて矛盾してますが、体力がすっかり衰えてしまっているので、今回は軟弱にオートキャンプを。所有しているキャンプ用品は基本的にオートキャンプを想定していないので、全てミニマムです。ただ、自転車だったら持って行けないようなスノーピークのBBQコンロ「雪峰苑」だとか、折り畳みのミニチェアだとか、使い古しのタオルケットだとかを、ここぞとばかりに節操もなく持って行くことにします。

さて、出発の日の朝、事件発生。目覚めたら首が痛くて全く動けません。寝違えてしまったようで、その激痛といったらまったくどうなっているんだか。オーマイガーッ、と天を仰ぐことも出来なければ、なんて自分は間が悪いんだと地団駄を踏むことすら出来ず、ただただこの世に存在しているのが精一杯という状態。だけど、キャンプには行く。アワビを食うのだ。

午前中、仕事の打ち合せをしていた相方を、お昼頃にピックアップして、いざ西伊豆へ。途中、沼津の江浦にある太助でランチ食べ放題1,280円【Map-A】。タモリの親族が経営しているお店だとか、そうでないとか。136号を走り土肥へ出て南下。「そういえばね、今日どっかでところてん祭りやってるはず。昨日夕方のニュースで見た」と相方。「あぁそういえば、何かに書いてあったかも。新聞かな」「ところてん無料サービスだよ」「それは食わなくちゃだな」という、どっちもアテにならない情報を元に、更に南下。ようやく見つけた水色の幟は堂ヶ島で「てんぐさ祭り」だった【Map-B】。時間が遅かったので無料サービスは終了、明日帰りに食べようと先へ進む。

それにしても枇杷が多い。道沿いのそこかしこに枇杷の木。公共施設の植え込みも枇杷。どこを見てもたわわに実った枇杷。枇杷だよ枇杷!相方は枇杷に目がないので、取りたそうだけどここは我慢してもらう。だってそんなことしてたら、直売所が終わってしまうではないか。

松崎漁協直売所にはなんとか営業時間内に到着、予定通りアワビとサザエ、そして美味しそうな川海苔を購入。川海苔は朝ご飯の味噌汁にしよう。
来た道を一旦引き返してスーパーで食材確保。当然、地元産(と思われる。表示は静岡県産)の枇杷も購入。たっぷり入って1パック380円。安い!

松崎は想像していたよりも拓けた町だった。私達が松崎ってなんだか良い雰囲気だねぇ、と言っていた田舎の風景は、実は町の外れで、ほとんどが南伊豆町だったらしい。当然、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地だったなんて知らないし、ドラマも映画も見たことない。

天気が心配だったので、当日の朝になって予約を入れたのは、雲見温泉にある雲見オートキャンプ場【Map-C】。サイトからの眺望が良く、露天風呂があって、数日前に電話で確認した時の応対が親切だったから。実際に受付へ行ってみると、オーナーご夫婦はとても気さくで人柄の良さが出ていた。キャンプ場の設備も清潔に手入れがされていて、だけど自然が豊富。場内からは近隣の山への遊歩道も通っていて、このキャンプ場はおすすめ。

ゴールデンウィークが終わり一段落、空いているということだったので好きなサイトを選ばせてもらえることに。一番眺望の良い場所を選ぶ。受付表に「じゃぁ、この辺を好きなように使って」と大きくマルしてくれた。選んだDサイトには他に利用者はなく、貸切状態。素晴らしい!

さてさて、キャンプの準備。まぁ、首が痛くても少しくらいは何か出来るだろうと思っていたのが甘かった。何も出来ない。テントの設営をちょっと手伝ったところで、断念。ダメだこりゃ。かといって椅子に座って見ているのもなんだか偉そうで嫌だし、仕方なく車から荷物を少しずつ出してみては、やっぱりこれは車に置いておこうかな、なんて仕舞ってみたり。椅子を広げて2つ並べ、その間隔をくっつけたり離したり調整してみては、眺める。このタープ、初おろしだね、とか言いながら訳もなく撫でてみたり、そんなことで時間を潰す。

この日は風が強かった。タープのバランスにこだわり始め、そのうち風の抵抗とロープの角度との関係の数式を作り始めそうな勢いの相方を見て、さっさと終わらせて次の作業をしてくれよ、とイライラするけど、口にはしない。仕方がないのでBBQコンロをゆっくりと10分くらい時間をかけて組み立てる。普段なら1分かからないだろうなぁ。相変わらずタープにまとわりついている相方。イライラ。いつもだったら絶対に頼まないようなマメな作業も頼まなくちゃいけない。もどかしいなぁ。次の相方の関心事は、マントル。久しぶりの作業で納得がいっていないご様子。イライラ。

いやいやこの場合、手を動かさない者は文句を言ってはいけない。そもそも何の役にも立たない私がいけないわけで、こうなったら「そうよ、あたくしの誕生日なのよ!」と王様のようにふんぞり返っていられれば、それはそれで幸せなのだろうけど。
あぁ、イライラ。

なんとか夕食にたどり着く。
もっと火を強くしておかないと、アワビが焼けねぇだろう、とイライラ。
醤油を自分で取れなくって、イライラ。
アワビにかぶりつこうとしたら、首に激痛。イライラ。
買ってきたお酒の1本がド不味くて、イライラ。

隣の露天風呂から、若い女の子達の楽しげな話し声が聞こえてきて、相方の意識が完全にそちらへいく瞬間に、イライラ。いゃ、別にいいんだけどね。なんせ海水浴に行く理由といえば「相方の目の保養のため」というくらいだから、オイシイ思いはした方が良いと思うのだけれど、今のあたしにはそんな余裕はない。

あぁ、イライラ。
別に誰かに腹を立てているわけでもなく、自分が情けないだけで。

まぁ、だけど。

綺麗な星空の下(私は首が回らずそれを見ていない)、炎を見ながら美味しい料理が食べられて、露天風呂に浸かり、初めて雨の降っていない日に(!!)テントで眠ることが出来たのは、とても幸せなのです。夜の闇にうっすらと浮かぶ眼前の鋭く切り立った山々は、なんだか水墨画に描かれた中国の景色のようで、とても幻想的なのでした。

夜寝る前、どうしてもマントルが気に入らなかったらしく、やり直している相方。そんなもんどうせもう使わないだろう、とは思うのだけれど、2回目は上手に出来て満足気のご様子。次回に乞うご期待。

翌朝は、鳥のさえずりで目覚めました。いや、あれは「さえずり」なんてものじゃないな。すぐ目の前の木で、みんな様々に好き放題、鳴きたい放題。
とても心地良い、爽やかな朝でした。首の痛みを除けば。

なんとか片付けをして出発。

途中、富士見彫刻ラインの沿線にある、江戸城の石垣建築のために石を切り出したといわれる室岩洞に立ち寄る【Map-D】。

室岩洞

松崎では、松崎名産 桜葉を使った桜葉もちを永楽堂で食べた。初夏に収穫した桜葉を1年間樽で漬けた桜葉、これは最高に美味い。[参考:伊豆の食紀行(ゆうゆうネット伊豆)]【Map-E】


長八さくらもち。店内でお茶と一緒にいただける。

そして向かうは、てんぐさ祭りの堂ヶ島へ。と思っていたら、なんか体がベタベタするから風呂に入りたい、と相方が言い出し、たまたま通りかかった沢田公園 露天風呂へ。私は風呂に入ってご飯を食べてしまったら運転する自信がないので、外で待つことにする。断崖絶壁に位置する絶景露天風呂、500円。おすすめ。【Map-F】


沢田公園 露天風呂。断崖絶壁に立つ絶景露天風呂。

堂ヶ島の「てんぐさ祭り」は、用意した1500食のところてんがアッという間に無くなり、午前中で終わってしまっていた。なんてこったい。続々と観光バスでやってくる団体客(おばさん達)が恨めしい。引くに引けないので、店で自腹で1杯ずつ食べる。その後昼食を食べに入ったお店で、1杯ずつサービスしてもらう。都合、1人2杯食べた。

昼食。いか焼き定食1,500円。

帰りは興味本意で西伊豆スカイラインに乗ってみる。車好きにはたまらないだろうが、あたしみたいな一般人が走る道ではなかった。疲労困憊。ただし眺望は素晴らしい!片側に西伊豆の海、その反対側には天城山系、伊豆の背骨を走るのは気持ちよし。西伊豆スカイラインは自転車で走るべき道だという結論を出す。

そんなこんなの、楽しかったなぁと思うクタクタの誕生日。
美味しいものたくさん食べました。

[2007.5/26・27]

Posted at 2007年06月05日 23:45 |   |  Comments (6) | 
Category [ キャンプ ]

Comments (6)

クタクタの誕生日、首の痛みを除けばとても充実したキャンプだったようですね。
彫刻ライン走った時はアップダウンにひいこら言いながら登りました(^^)

>1パック380円
由比の宿の軒先では、300円でした~。
ストレス解消は、体力系の趣味ですね。
西伊豆スカイラインの走破レポも期待しています。
#60km完歩は、真似できませぬ。

ayakoさん>
こんにちわ。とても楽しかったです、
しばらく首の痛みが治らなかったけど(笑)

自転車で彫刻ラインはハードですよね。登りは当然大変なんですが、下り!疲れた腕でぐんぐん出るスピードを制御出来ずに、急カーブを曲がりきれず、そのまま自転車で海に突っ込んでしまうんではないかという経験を思い出しました(汗)

三振王さん>
300円!ちなみに、380円は「あおき」でした。
>>西伊豆スカイラインの走破レポ
歩いてばかりだったので、そろそろ自転車ですねぇ。
頑張って行ってみます(笑)

>may様

あぁ〜いいないいな〜。暫く松崎の桜葉餅食べてないのです。土肥のは天城の道の駅で買えますが、お餅が関西風に道明寺なんですよね。やっぱ田舎風に「ほそながいだいふく」が挟まってたほうが好きです(^^)。

んで。

御存知かとは思いますが、自転車で走ると伊豆は強烈ですぜf(^ー^;。海岸線も山道も登りも下りもそりゃぁもぉ...

1sugiさん>
いいでしょぅ(笑) 松崎の桜葉餅、こんなに美味しいなんて知りませんでした。西伊豆に行くときは必須ですね。

>>自転車で走ると伊豆は強烈ですぜ

中伊豆・西伊豆しか走ってないんですが、ハードですね。特に西伊豆。電車がないんでお手軽に輪行ってわけにもいかず、以前走った時は、下田発の最終までに間に合うかで必死でした。

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