富士日誌

途中、湯ヶ野温泉手前あたりで自転車を止めて荷物をいじっていたら、上からおりてくるロードの人達。手を振って挨拶。彼等は颯爽と過ぎ去っていった。って、あれ？最後の人が来ているウェア、なんだか見覚えがありますょ。沼津のHOT ROADクラブチームの方々ぢゃぁないですか。そうかそうか、HOT ROADの人達かぁ。また会っちゃったねぇ、しかし縁があるねぇ、なぁんて事をふたりで話しながら、ふと気づいてしまう。時刻は10時半を過ぎた頃。あの人達は今、山からおりてきたんだよね。ってことは、沼津から天城を越えてきたんだよね。私達がこれから1日かけてのんびりと越えようとしている道のりを、もう、彼等は走り終えてる。やっぱり違うなぁ、と、ちょっと呆気にとられる。

再び出発。湯ヶ野温泉を過ぎたあたりから少しずつ勾配も増してきて、だいぶ上まで登ってきた。ループ橋の手前で右に入り河津七滝へ。一昨年の9月に浄蓮の滝・旧天城トンネル・河津七滝と歩いた時、バスの時間が迫っていて最後に見れなかった大滝を鑑賞。あれれ、下の方に露天風呂があるようだけど、あれって、外から見えちゃうねぇ、なんて話していたらどうやら水着で楽しむものみたい。付近には天城荘の岩風呂や穴風呂が点在していて、日帰り入浴は約10以上の露天風呂が楽しめて1,000円。水着・タオル・バスローブのレンタルもあり、昼食付きプランにすれば、館内の大浴場と休憩スペースも利用できるらしい。観光客に紛れてバスローブ1枚で歩いているカップルの女の子はちょっと恥ずかしそうだったけど、私はもぅ、そういう年でもないだろう。いぃなぁ、次は利用したいな。道が舗装されている初景滝までいき、引き返してくる。

実は、まだ悩んでいた。いゃ、悩むというよりは、悪あがき。それは、ループ橋を登りたくない（かも）。河津七滝ループ橋は巨大な二重の螺旋を継いだ高架橋で一気に標高を稼げるというのだけど、その分勾配がきつそうだ。興味はあるし景色も良さそうで正直なところ走りたい。走りたいのだけれど、いかんせん私は上り坂が苦手で一気に速度が落ちる。下手をすると歩いた方が早そうですよ？というくらいに落ちることも。それでも西伊豆や田貫湖ではタラタラと登ってきた。でもね、それはね、車が殆ど走っていなかったからできたわけで、こんな桜の観光シーズンに車がビュンビュン走る中を、狭い路側帯、しかも高架橋を登るのは…。少々怖じ気づいてる自分。相方も私の事が気がかりのよう。

でもすぐに、せっかくここまで来たんだから登ろう！と決意。いぃぢゃん、楽しそうぢゃないか。（実際のところ、登るしか道はなかったのだけど）

意を決して、車が途切れた合間を見計らってループ橋に進入。出来るだけ車の邪魔にならないよう、だけど、左側にはいざという時の退避スペースをしっかりと確保しながら進む。私が先頭で、相方は後続車へのアプローチ。軽いギアでクルクル回してスピードを上げていく。うん、これなら行けそうです。思っていた程勾配はきつくなかった。

その後も、道はひとつの登り返しもなく延々と登る。ひたすら登る。なんでこんなに進まないんだろう、と登る。自転車の調子が悪いのかなぁ、と責任転嫁しながら登る。そしてとうとう自転車を降りて押してしまった。昨年の箱根以来初めてのこと。うぅむ、運動不足か、根性がなくなったのか、トレーニング不足か。（いゃ、トレーニングなんてしたことないんです。）相方は「先に行って広いところで待ってるから」と言い残して私を追い越していった。なんだか、申し訳ないなぁ。

乗ったり押したりをしながら、トンネルを2つくぐり、旧天城トンネルへ向かう旧道との分岐に差しかかる。今回はとりあえず新道を進み、新天城トンネルをゆくことに。再び登り、ようやくトンネルが見えてきた。全長800mのトンネルは、どうやらわずかに下り坂のようだ。後続の車に気をつけながら、一気に抜ける。トンネルを抜けたところで、自転車を寄せて上着を重ねる。ここからはいよいよ下りが始まる。記念に写真でも撮ろうと思ったら、デジカメの電池がなかった。そうだ、七滝で切れてしまったんだっけ。予備のバッテリーを買っておかないとな。

制御できる範囲のスピードで慎重に下っていく。しばらく行くと、後ろに荷物を積んだ1台の自転車とすれ違う。ペコリとお辞儀。そこから道の駅 天城越えまではあっという間だった。道の駅で観光パンフレットを収集。昼食をとろうと考えていたのだけど、食堂には食べたいものもなかったので、もう少し進むことに。

すぐに浄蓮の滝に到着。下りってほんとにあっという間だなぁ。食事処で鴨のつみれ蕎麦とみたらし団子で少し遅めの昼食。駐車場には観光バスが何台もあり、観光客で溢れていた。おみやげに天城浄蓮銘菓「あまん」を購入。季節限定の桜あん。

414号は湯ヶ島温泉を過ぎたあたりから車が増えて渋滞していた。道が136号になりしばらくしたところで、右折して狩野ドーム前を通り狩野川右岸を進む。ここからは、狩野川100kmサイクリングのコース通りにゆく。多少のアップダウンはあるものの、136号に比べて車の数が少ないので走りやすい。そしてサイクリング大会のスタート&ゴール地点でもあった大仁南IC近くの狩野川の河川敷で休憩をとることに。今朝買った「京やきぐり」と宿で貰ったみかん。みかんが美味い。

体が冷えきる前に再び走り始め、狩野川沿いをサイクリングしながら伊豆仁田駅までゆき輪行。

昨年の1泊2日の西伊豆サイクリングに続いて2回目の伊豆サイクリングとなる今回、わかったことは伊豆ってすごい楽しいってこと。温泉はあるし、海も山もある。行きの電車の中から見えた東伊豆もなかなか気になる。石廊崎にもまだ行っていない。いぃなぁ、伊豆。もっともっと走りたいなぁ、と思うのでした。

【追記】
地図ソフト作者のGPSサイクリングの茅沼さんも同じ日、桜まつりに出かけられていたようです。⇒BD-1ルート 05/02/12-13 南伊豆、2つの桜祭り